ライブやイベントの記録
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『鈴木ジェロニモの「説明」』
2023年8月22日
会場:LOFT9 Shibuya
出演:鈴木ジェロニモ、赤嶺総理、林田洋平(ザ・マミィ)、なんぶ(構成作家)、原宿(オモコロ編集長)
"水道水"や"造花"など、一見無機的なものを、自身の独特の視点をかたどった言葉で表現したYouTube動画「説明」が各所から注目を浴びている鈴木ジェロニモ!
一体彼が何を"説明"しているのかをその言葉から読み解くクイズコーナーと、
そもそも"説明"とは何なのかその魅力を解剖するトークコーナーの二部構成でお送りする
「説明」の説明ライブ!
開演時刻になり登壇したなんぶ、原宿、林田、赤嶺。それぞれ自己紹介をしたあと客席と向かい合うように着席します。
林田「パンパンですね。この様子もあとで説明してもらいましょう」
その後黙って登場し四人の後方に座った鈴木。戸惑いの空気が会場に満ちるなか、突如コーナーが始まりました。
「説明」クイズコーナー
回答者である前列四人からは見えないようにしてお題を発表。
お題に対する鈴木の「説明」を聞き、お題を当てるというコーナーのようです。
お題は事前にアンケートで募ったもの、くじ引きで選ばれます。
【一問目お題:コピー用紙の白さ】
(白い)、(白が濃い)、(白い力)
・
・
・
(白くない)
林田「白いことだけが頼りなのに!」
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の白さ
— 赤嶺総理 (@akaminesouri) August 23, 2023
配信https://t.co/b9Al0mo7Mv
鈴木ジェロニモの説明のほんの一部分。
(実物を手に取って説明しています) pic.twitter.com/sJ3FAwz823
~シンキングタイム~
なんぶ「生命的なもの?」
原宿「消しゴムとか…何かが凝縮しているような…」
林田「画用紙的な」
赤嶺「富士山?青で思いました」
林田「いや、ジェロニモは富士山の青を青って言わないはず」
原宿「コピー用紙にしましょう」
【回答:コピー用紙】正解!
林田「ぞわってした、寒い!」
鈴木「正解されるの、嬉しくて悔しいですね」
赤嶺「帰ったら絶対配信見よ~」
【二問目お題:ドーナツの穴】
鈴木が屈み、何をしているのかと思いきや本物のドーナツが!
目の前の「ドーナツの穴」を観察しながら「説明」をします。
~シンキングタイム~
林田「二問目でこれ!?」
原宿「ぐちゃぐちゃになっちゃった…」
なんぶ「手前が丸、奥が四角のものってことですか?」
林田「自分は前半の説明を大切にしたいですね」
なんぶ「食べ物のようなニュアンスがある、ナタデココとか羊羹とか…」
原宿「二問目でこれ出るか?と思ったんですけど、水まんじゅう」
赤嶺「モザイクかと、でも途中から分からなくなって」
林田「ビデオカメラを覗いてるイメージです」
なんぶ「光の話ですかね…」
【回答:羊羹】不正解
赤嶺「粋なお題」
林田「どんどん成長していますね」
【三問目お題:爪】
(守りながら攻めている)
なんぶ「完成された武道だ」
(小さな夕方の窓)、(防ぐ窓)、(夕方の窓)
・
・
・
(屋根)
林田「屋根!?窓だったのに!?」
赤嶺「好意的ではあるのかな」
(開いていく)
なんぶ・原宿「窓ですからねえ」
~シンキングタイム~
林田「柿ピー?(余計なところが白い)ピーナッツのことを指しているのかも」
原宿「茄子、すこし夕方っぽいかなと」
赤嶺「駄菓子のフルーツ餅かと思いました」
【回答:フルーツ餅】不正解
林田「行けたこれー!」
なんぶ「白い部分余計だ!」
原宿「もっとやりたい!!」
赤嶺「これ当てられたら格好良かったなぁ」
【四問目お題:川】
なんぶ「すり抜けていくな…」
~シンキングタイム~
なんぶ「信号機だと思ったけど、途中から毛筆かなと」
原宿「マリモ?」
なんぶ「不定形な状態がしっくりくる、緑が近くにあるのが似合うものですよね」
原宿「スライムみたいなこと?」
赤嶺「一番難しい、蝉の死骸かなとか?」
林田「赤信号…歩行者とか」「静かな感じですよね」
赤嶺「夕日?」
なんぶ「緑じゃないんですよね…『呼んでいる』だから…」
【回答:信号機】不正解
なんぶ「これはムズいわ~」
林田「目的を隠してたんだ川って!」
原宿「これオールナイトでやりたいですね!」
【五問目お題:あくび】
(喉に板が生まれている)
林田「そんな人いないだろ!」
(心臓を撫でている)
なんぶ「怖いんだよなあ」
(怖くない)
林田「怖くない!?こわいよ!」
(入っていくものと違うものが出ていく)
赤嶺「わかったかもしれない」
(舟)
なんぶ「じゃあ舟じゃん!」
~シンキングタイム~
林田「説明したねー」
なんぶ「顔があるんですよねえ」
林田「お酒?わかんないですけど」
なんぶ「クトゥルフ神話的な…」
答えがわかったという赤嶺、「恐らく『あくび』」
【回答:あくび】大正解!
原宿「舟!?」
赤嶺「舟をこぐって言いますもんね」
─10分休憩─
トークコーナー
原「意外と押している」(「説明」口調で)
鈴木「鈴木ジェロニモです」
本日の主役、90分経ってやっと名乗りました。
【「説明」メニューの説明】
A:ポークカレー
B:スマイルポテト
C:スパイシージンジャーエール
D:ヨーグルトフローズン
【出演者のラインナップ・「説明」を知ったきっかけについて】
鈴木以外は主催側が選出したようです。
林田は芸人仲間の中でもいち早く「説明」に言及した一人。
ザ・マミィのラジオで林田が「説明」の動画を紹介しています。
なんぶ「もともと顔見知りで、ボイパのネタ見ようと思ってYouTube開いたら見つけました。すげえことやってるな!って」
原宿はハチカイの警備員経由。
原宿「説明って良くない(野暮)ことだと思ってたけど、無限の余白があることに気が付かされました」
なんぶ「(感動して)少し泣きましたもんね」
なんぶ「感想にもならないような、視線の外側にあるもやもやを言葉で切り取ることで、そこに在ったことに気が付く。それでぽろっと来た。失恋ソングを聴いて『私って傷ついてたんだ』ってなるような」
鈴木「説明って歌だったんだ」
原宿「認知に対する賛歌ですよ、教育で取り入れてほしい」
林田「ジェロニモ、自分で思ってるより大きなものになってないか?」
【「説明」のスケール】
原宿「『呼吸』ですごいなと。時間をスライスして焦点を合わせている、この人はその感覚で物を見てるんだなと思いました」
林田「そういう感覚は短歌をやる中で得たもの?」
鈴木「最近そう思ってきましたね」
林田「おお、短歌もその視点の動かし方がかっこいいと思って見てたからさ」
鈴木「現象のスライスですよね」「どうやって考えるんですかと聞かれた時は、『一番暗い夜にシャワーを浴びていたら思いつきました』と言っています」
林田「うるさいなあ~~」
【「説明」を始めたきっかけ】
鈴木「ラジオで他の方の短歌の評をしていて、感じた瞬間に言葉で表現することはそれが下積みになっているかもしれない」
「あとは手伝いで行った芸人の単独ライブのアフタートークなんかで、言語化スキルと言葉選びを褒めてもらったことがありまして。じゃあYouTubeで何かやってみようかなと思いました」
【「説明」を見る姿勢】
赤嶺「意識的か無意識にかは分からないですけど、自分のノスタルジーを入れないのがすごい」
鈴木「(『説明』の動画を)他人のつもりで見てます」
林田「何言ってるんだろうってならない?」
鈴木「この時はそう思ったんだろうなーって思います」
【みんなで「説明」を見よう】
林田「BANされてもおかしくない…」
なんぶ「概要欄はなんですか?」(「さしすせそって裏拍?」)
鈴木「さ行は一拍キックが入ってる気がするので、それのメモです」
なんぶ「あんまいないですよYouTubeの概要欄メモ代わりにしてる人」
「さしすせそって裏拍?」を説明する #鈴木ジェロニモの説明pic.twitter.com/QOEdseFqFl
— 鈴木ジェロニモ (@suzukigeno) August 30, 2023
なんぶ「『アイマスク』、行くとこまで行ったな~って思いました。一番共感度高いかも」「EDMで言ったら紫の球体でフロア大沸きしてますよ」
【「割り箸」鑑賞タイム】
会場のみんなで「割り箸」を見ることに。
割りそうで…割れず(割らず?)、口々にツッコミながら鑑賞。
とうとう割れた瞬間は箸が割れただけとは思えない爆笑が巻き起こりました。
赤嶺「盛り上がりますね!応援上映みたい」
原宿「『説明』の神回は割り箸ですね!」
【「説明」案件化】
原宿「PRが来てるのがすごい」
なんぶ「他の作品に比べるとポップですよね」
原宿「(昔の自分~)ちょっと”揉んでる”なと思った」
鈴木「お話を頂いたときは自分でもウソだと思いました、マネージャーからウソが送られてきたと…」
最初の動画「水道水」の再生回数が1000回に達していないタイミングで、明治側からオファーがあったそうです。
鈴木「俺より速いぞと」「会社のイメージとスピードが噛み合ってないんですよ」
初案に相当する動画を明治広報と広告代理店に提出したところ、代理店側からいくつか指摘を受けたと話す鈴木。
しかし広報の方による「鈴木さんのやりたいようにやってください」というフォローで、
納得のいく動画に仕上がったと話していました。
林田「明治さんって芸人ファーストなんだ!」
「説明」をしようのコーナー
原宿「説明したい!」
なんぶ「やりましょう!」
今回はクイズ形式ではなく、鈴木が見守る中での説明にチャレンジします。
お題は同じくくじ引きで決定。
【お題:海】
林田「……ひろい」「青い」「空と一体化している」「空の側面」「底が見たい」「こわい」「暗い」「飲みたくはない」「ぬるそう」「かたそう」「悲しい」「懐かしい」「臭かったあの頃を思い出す」
林田「難しい…!視野がギューっと狭くなっちゃうね」
鈴木「そこがいいんです」「お笑いは他者性を持たせないといけないけど、説明はそれをしなくていい」
「ギューっとなっていった先で自分に会える」
〈説明〉を説明する #鈴木ジェロニモの説明pic.twitter.com/OLWxs4BcLa
— 鈴木ジェロニモ (@suzukigeno) August 23, 2023
【お題:鈴木ジェロニモ】
四人で中心に居る鈴木をじっくり眺めます。「説明」は観察から。
原宿「濡れている」
なんぶ「奥がかたい」
「光っている」「高い場所にいそう」「コントロールしてる笑顔とそうじゃない笑顔がある」「反発しそう」「猫背」「気高さを感じる」「リップクリームを盗んでいる」「カラッと揚がる前の状態」
赤嶺「鈍い若さ」
林田「親から産まれていない」
「もっと大きくていい」「裸になったことがない」「眠らせた土を持っている」「今この瞬間にもメキシコに居る」「ないている」
鈴木「説明されてるときってこんな気持ちだったんだ……」
ただ「説明」をしているだけとは思えない程の盛り上がり!
鈴木さんが居らっしゃるイベントは、表現や言葉の世界の豊かさに感服させられることがとても多く、
この日の公演も非常に楽しかったです。
クイズコーナーでの、ゲスト四名の感受性と推察の鋭さは圧巻でした。
答えを知りながら「説明」を聴いている私たちでさえ、鈴木さんの思考に追いつくのが難しいのに、
皆さんの正解に近づく速度と言ったら。
それぞれの「説明」に関するお話も聞きごたえがあり、時間さえ許せばまだまだ見ていたいライブでした。
楽しかった!
説明っていう絶叫マシン #鈴木ジェロニモの説明pic.twitter.com/DPt4fppFlL
— 鈴木ジェロニモ (@suzukigeno) August 26, 2023