ライブやイベントの記録
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『第七回ジェロニモ短歌賞』
2023年7月31日
会場:Naked Loft Yokohama
出演:鈴木ジェロニモ、お抹茶(トンツカタン)、細野祐作(ネギゴリラ)、根本ろ過(車海老のダンス)、レオ(凛凛パーカー)、梅田元気よく
◆短歌とは何か
・鈴木ジェロニモが極めて私的な見地から説明します。
◆第七回ジェロニモ短歌賞選考会
・出演者それぞれによる自作の短歌を鈴木ジェロニモが極めて私的な見地から選考し、第七回ジェロニモ短歌賞を決めます。
◆ジェロニモ連句会
・出演者五人で協力して短歌一首を完成させます。
第六回受賞作はザ・マミィ林田の作品。テーマは「雨」。
「さようなら 外はふたりのおもいでをひっくり返したような雨」
前回のイベントの様子はこちら
今回はトンツカタンお抹茶が初登場!同じくトンツカタンの櫻田も出演した経験があります。
細野「自分がイベントの前に『字数は関係ない』って言っちゃって、最下位が嫌だからそうしたみたいになりましたね」
企画説明
選考会に入る前に、常連組にはお馴染みの鈴木の短歌に関する経歴を紹介。
鈴木の「短歌の定型は、漫才におけるセンターマイクである」という持論を受けた細野「何かに載ってたような~?」
※朝日新聞に掲載されました
根本「7回もやってるからスムーズに進行できるようになっちゃってる」
お抹茶「新聞!すごい!」
初出演のお抹茶の反応が新鮮です。
ジェロニモ連句会
連句は、上の句(5・7・5)と下の句(7・7)を交互に詠み繋げる形式の文芸だそうですが、今回は鈴木を除く5人で一首作ることに。相談の結果、
・2人が五音を担当、他の3人が七音を担当
・互いの回答を見ずに考え、一斉に発表
というルールになりました。
一首目 お題:「雪」
下手側から
五 お抹茶
七 細野
五 レオ
七 根本
七 梅田
の分担で作成。
細野「梅田の筆の速さすごくない?」
梅田「全てを救える七音を思いつきました!」
かじかんだ身を寄せ合って白と白雪やこんこ春が来てるぞ
細野「いいんじゃない!?」「『白と白』は雪だるまのこと言ってるのかも」
鈴木「景色に対する優しい目線がありますね」
梅田「春を見た雪だるまはいないわけだから、彼らにとって『春』は死かも」
細野「『春が来る』って人間が楽しそうに言ってるのを雪だるまが聞いて、『春って何?』って思ってたりして」
一首目から幸先良い素敵な歌が誕生!
二首目 お題:「酒」
二首目は上手側から
五 梅田
七 根本
五 レオ
七 細野
七 お抹茶
という順番に。
お抹茶「全てを救えるのを思いつきました」
先ほどの梅田の発言を借り、自信満々なお抹茶。
飲みに行く?ホッピー中ハッピー今おどるあし顔を赤らめ全部忘れた
鈴木「…良くねえか?」
想像以上の出来に先生も生徒もこの喜び様。
鈴木「時間の経過がしっかり表されていて、かつ一首の中で完結している。根本で飛躍したのが良い、他がそれほどふざけなかったのも良い方に作用した感じがしますね」
三首目 お題:「走」
三首目は下手側から
五 レオ
七 細野
五 お抹茶
七 梅田
七 根本
の順番。
難しいお題にやや頭を悩ませる5人。
風をきり地をける足が息切らす汗が止まらずたばこやめます
根本「……いいけど!全員ボケる奴やりましょう!芸人だから!」
悪くはなかったのですが、全員で様子見をした結果無難な歌に。
はっちゃけを目標に作り直します。
とりあえず飛べそうなほどビュンのビュンあえて歩きでワーッ!前に走るカニだー!!
根本「みんなこれくらいやると思って!うわーやべー!」
一番のパンチラインを生み出した根本、大焦り。
鈴木の提案で句の順番を入れ替えてみることに。
根本「スクリーンにカニ出せる?無理か」
ワーッ!前に走るカニだー!!
飛べそうなほどビュンのビュンあえて歩きでとりあえず
鈴木「キラーワードが入ると一気に世界観が強まりますよね」
宮沢賢治の『やまなし』のような雰囲気の歌に生まれ変わりました。
ー5分休憩ー
選考会
今回の詠草一覧。テーマは「夏」です。
① 未来ある若者たちを炎天下打って守って走らせる夏
② まだダメと首横に振る扇風機「ムリ!」を合図に手振るエアコン
③ 水筒の最後の一滴では足りずわずかに残る冷気吸い込む
④ 裸 恋 不埒 誘惑 エロティカセブン …サザンに”夏”を教えてあげたい…!
⑤ 街中で上裸になったおじさんの 見事な胸毛にたまやと思ふ
鈴木「情景が被ってないですね」
匿名状態で順位を付け、発表と共に作者が名乗り出る流れです。
結果発表
4位 ④裸 恋 不埒 誘惑 エロティカセブン …サザンに”夏”を教えてあげたい…!
作:根本
根本「サザンが夏の代表みたいに言われてるけど、自分はこんな(サザンの歌詞に歌われるような)夏は知らない。僕の知らない夏の話をしないでほしい」
鈴木「””は意図したニュアンスが?」
根本「少しインターネットぽいテイストにしてみました」
鈴木「上の句に(夏と直接的に言わず)周縁のものを上げていたから、『サザンが〈夏〉という単語を知らない』という歌なのかもと」
「惜しい点としては、記号がたくさん入ってるとパっと見で文章が入ってこないんですよね」
【代案】
鈴木「〈〉を使って、字の意味としての夏というニュアンスにしました」
根本「確かに辞書っぽくなるな~」
根本「やばいなー…5時間かかるけど歩いて帰ろう…」
3位 ③水筒の最後の一滴では足りずわずかに残る冷気吸い込む
作:梅田
梅田「ちょっと悔しいですね~~~~!
鈴木「上の句が字余りなのと、『たりずわずかに』の口がドタドタする、もう少しスッキリできたかなと」
【代案】
2位 ⑤街中で上裸になったおじさんの 見事な胸毛にたまやと思ふ
作:お抹茶
鈴木「シーンが明確に浮かんできますね。少し不思議な光景だけど、詠んだ人はそう思ってない。作った人の『仁(にん)』が入ってる、その2点が良いです」
「ただ『見事』と『たまや』が意味として被ってるかも」
お抹茶「たまやだけだと飛躍してる感じがしたから丁寧に作ったつもりです」「最後の『思ふ』(=歴史的仮名遣い)は短歌と言えば!という感じでそれっぽいかなと」
【代案】
この日のために五首作ったというお抹茶、初登場にして見事二位に輝きました!
1位 ①未来ある若者たちを炎天下打って守って走らせる夏
作:細野
鈴木「1番スッキリ読めました、野球と直接は言わずに表現できているところも良いですね」
細野「その通り!!」
鈴木「『炎天下』という語で景色から距離を取る、『未来ある…』で批判的になりそうなところを上手くまとめていると思います」
5位 ②まだダメと首横に振る扇風機「ムリ!」を合図に手振るエアコン
作:レオ
レオ「いつも想像で書いてたけど、今回は思ったことを一人称視点で作ってみました」
細野「締め切りギリギリになって相談してきて『ジェロニモの好きそうな方選びました』って言ってたのに!」
鈴木「『手振る』の情景が上手くイメージできなかったですね」
レオ「(吐き出し口の板が)手招きしてるみたいだなって……」
鈴木「手招きが良いね!」
【代案】
レオ「でも強くなる負けだったので良かったです!」
細野・お抹茶「格好良い~~~~!」
根本「次も最下位だったら面白いのに……!」
新たに誕生した連句のコーナーが大盛り上がり!いつもの緊張感はありつつ、賑やかで楽しい回になりました!
【『第七回ジェロニモ短歌賞』アソートパック】
https://twitter.com/suzukigeno/status/1686315638397214720?s=20